全国民俗芸能大会挨拶要旨 <平成14年11月23日(日本青年館)> ・岩国は、山口県東部の人口約11万人のまちです。五つのアーチを持つ木造、木組みの橋、錦帯橋で有名です。今、錦帯橋は、50年振りの架け替えが行われています。300年以上の伝統の技を駆使して行われるこの架け替え工事自体が、めったに見ることができないイベントとして話題を呼び、大勢の観光客が訪れています。 ・その錦帯橋の下を流れる清流錦川を少しさかのぼった所に、川と山に隔てられた小さな集落、行波があります。住宅戸数数十軒でしょうか、その小さな地域の人達だけで守り伝えられ、7年に一度、神舞が行われています。岩国の誇る伝統文化です。 ・稽古の様子を見学したことがありますが、何百年の伝統を受け継ぎ、後世に伝えていくのだという強い使命感、そして熱い想いがその場にみなぎっているのを感じました。その熱い想いが、親から子へ、そして孫へと確実に受け継がれていく。小さな子供たちも、生活の一部として自然に笛を吹き、踊りを覚えていく。そしてその魅力にとりつかれていく。これが伝統というものでしょうか。 ・今日は、子供たちも含めて総勢三十数人で来ています。行波が空になるほどです。この日に備えて厳しい稽古を行い、神舞を全国の人に見ていただくいい機会だとみんな張り切っています。 ・20時間にも及ぶすべての舞をお見せできないのが残念ですが、選りすぐった演目をご披露する予定です。行波の人達の熱い想い、そこに息づく伝統の力を、きっと会場の皆さんに感じていただけると思います。どうか最後まで、ゆっくり、楽しくご鑑賞下さい。