錦帯橋第3橋完成式 <平成14年3月10日> 吉川家御当主を初め、ご来賓の皆様、そして会場の皆様、大変お忙しい中、錦帯橋第3橋完成式にご出席いただきありがとうございます。 待ちに待った第3橋が完成しました。ご覧下さい。あの優雅な姿を・・・。誕生したばかりにもかかわらず、すでに周囲の自然や景観に溶け込み、「凛」として、その圧倒的な存在感を主張し始めています。 真白き「ひのき」の橋板や高欄などによって形成されるアーチの鮮やかな美しさ、ケヤキやマツなどが組み合わされ、1000人の人が乗ってもびくともしないその強くてしなやかな構造部分、これらの見事なまでの調和が、あの重厚な美しさの隠された秘密ではないでしょうか。 ・・・新しい橋の魅力を表現するには、私の語彙はあまりにも貧弱であります。どうぞ、皆さん、思い思いに、心ゆくまで、その魅力に触れてみて下さい。 昨年12月、永年親しみ見なれた橋が解体されたときには、内心、何とも言えず、淋しい思いをしました。 年が明け、足場が組まれ、一番桁、二番桁と組上げられていく、伝統の大工さん達がきびきびと作業をこなしていく、そして、家で言えば「棟上」に相当する「大棟木」の取り付け。伝統に裏打ちされた、現代の匠の技に引きつけられ、感動する。その刻一刻と変化する様を目に焼き付けたくて、暇を見つけては、現場に足を運び、大工さん達に声をかけ、写真を撮った。思い入れは深くなるばかり。すっかりほれ込んでしまいました。 橋板が敷かれ、高欄が取り付けられ、思った以上に順調に作業が進み、先月の末頃までには、ほぼ完成をしました。 今は、無事にでき上がったことに、ほっと胸をなでおろすとともに、振り返ってみると、2年前の錦川木材協同組合による用材の調達から、工事の一切を請け負った建築協同組合、そして、大工や板金などの仕事に携わった人達、岩国の宝は、岩国人の手で、という強い誇りと責任感により、大切な第1期の工事を見事に成し遂げることができたと思います。すべての関係者の献身的な努力に対し、深甚なる敬意を表するとともに、心から感謝します。 式典終了後11時より、渡り初めを行います。伝統大工の棟梁いわく「今までで、一番美しい橋になった」。皆さんの足で踏みしめ、手で触れ、肌で直に感じて欲しいと思います。 迂回路は、17日まで残します。普段見ることのできない横や斜め下からの目線で鑑賞して下さい。 官民一体となった宣伝の甲斐あってか、当初の心配も杞憂に終わり、架け替え工事を一目みたいといって、遠方からはるばる訪れる観光客が日を追って増加していきました。大変有りがたいことです。 世紀の大事業である「平成の架け替え」のまさに幕が開きました。300年の歴史と伝統をしっかりと現代に受け継ぎ、「未来へのかけはし」として立派に仕上げるまで、今一度気を引き締め、私ども渾身の努力をするつもりです。加えて、この機会を千載一遇のチャンスととらえ、錦帯橋の名を、全国に、いや全世界に広めたいと思います。 皆様方には、最後まで、暖かく見守っていただくとともに、変わらぬご支援、ご協力をお願いしまして私の挨拶とします。