元市職員の不祥事の発覚、土地をめぐる諸問題など、岩国市の行政運営に対する市民の信頼が大きく揺らいでいます。
また、社会基盤整備のため多くの公共事業を実施してきた結果、平成12年度末で一般会計と特別会計を合わせて約660億円、市民一人当たり約60万円という多大な債務を抱え、特別会計においても大きな赤字を見ています。これらを克服すべく今年2月に財政健全化計画を策定しましたが、その後一段と景気後退が進む中で、税収の落ち込みなどすでに計画に狂いが生じてきています。
今後においても、道路、下水道など大型の事業が予定されており、加えて、先の地震により、市庁舎の建て替えも緊急の課題となってまいりました。このまま推移すれば、民間企業で言えば倒産という事態も否定しがたい財政危機に陥っています。
以上のことを率直に認めた上で、岩国市が再び市民の信頼を回復し、決して破綻することのないよう、聖域を設けることなく今後5年を目途に以下の事項を実施し、市政の根本的刷新を図ることを宣言したいと思います。
1) 行政執行における倫理の確立を図ります。
具体的には、私をはじめ執行機関の特別職を対象とする行政運営基本条例(仮称)の制定を目指し、行政執行に対する公正性と透明性の確保を図ろうとするものです。
内容としては、私を含む幹部職員が、行政の執行に際して遵守すべき規準を定め、市民の皆さんから市行政が特定の人に有利に取り計らわれているような疑い、あるいは不当な権限行使がされているような疑いを持たれないようにし、市政に対する信頼を確保しようとするものであります。
この条例案は、来る12月議会に提案したいと考えています。
2) 危機的財政の克服を図ります。
予算編成に当たっては、全ての事業について、再度その必要性、優先順位等を厳格に考慮しなければならないと考えます。
したがって、現在進行中、計画中の公共工事についても大胆に見直す必要があります。
人件費についても、通勤手当の削減、56才昇給延伸、58才昇給停止、全職員の12月昇給停止など既に他市でも例を見ない削減措置をとっていますが、職員には、さらに一層の協力を求め、退職手当の削減、管理職手当、特殊勤務手当の大幅な削減、旅費の見直しを行う予定です。
補助金、負担金、経常的経費などについても、例外を設けることなく効率化を図り、使用料、手数料についても見直しをするとともに、滞納整理についても強化を図ります。
3) 行政改革の徹底を図ります。
徹底して無駄を排した合理的で効率の良い行政の実現を図るという観点から今年4月に行政改革実施計画を策定いたしましたが、これの実施を前倒し、スピード感のある改革を実現していかなければなりません。
また、契約事務が適正に執行されるよう組織、機構の見直しを行います。
さらに、外部監査制度の検討も含めて監査機能の強化を図り、公正な事務の執行を担保します。
公益法人と各種審議会の整理統合も進めていく決意です。
4) 市営バス事業の再建を図ります。
市営バス事業は、毎年数千万円の赤字を計上しており、このまま推移すれば、早晩行き詰まることは目に見えています。
しかしながら、高齢者や障害者など、市民の足として、市営バスは欠かせないものです。このバス事業の経営を健全化し、市民の足を確保するために、あらゆる策を講じたいと思います。循環バスの導入、利用しやすい料金体系とダイヤ編成など、一人でも多くの人に利用していただけるような工夫をしたいと思います。市職員のバス通勤も促進します。市民の皆さんも是非バスに乗っていただきたいと思います。
5) 職員の意識改革を行います。
以上の改革を成功させるためには、職員一人ひとりに至るまで確かな改革の意識を持ち、同じ方向に向かって一致団結して取り組まなければなりません。
今年初めに制定しました「市民と職員五つのかけはし」、公平、サービス、効率、参画、行動の趣旨を徹底します。
そして、出来ることから「行動」にうつします。
まず、時間厳守や身の回りの整理整頓、庁舎内外の美化に取り組み、アイドリングストップや鉛筆一本、紙一枚を大切にし、不必要な電気はこまめに切るなど無駄を省いて環境を守る「エコオフィス計画」の確実な実施などを行います。
21世紀を迎え、今は改革のときであり、思いきって旧来の慣行を打破し、もう一度原点に立ち返り、貴重な税金を市民全体の幸福のために最大限有効かつ公平に使う義務があるという大前提の下に行政のあり方を根本的に刷新すべきときです。
先日、錦帯橋の架け替えが始まりました。50年の歳月を経て、歴史を受け継ぎながらも、「未来へのかけはし」として、新しく生まれ変わろうとしています。
岩国市政も、まさに新生のときを迎えています。錦帯橋の如く、「時」を超えて、市民のよりどころとなり、決して揺らぐことのない市政の基礎を築きたい。
私は職員と共に、不退転の決意でこの改革を成し遂げるつもりです。その過程で市民の皆さまにもしばらくの間痛みを分かち合っていただかなければなりませんが、どうか、岩国市の将来のため、子供や孫たちの世代に大きな負担を残さないためにも、大局的観点に立って、御理解と御協力をいただきますようお願い申し上げます。
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