建国記念の日挨拶


 
 

 <平成15年2月11日> 


 
 建国記念の日を、こうして皆さんと一緒に平和な内に迎えられたことを、お祝いしたいと思う。この日は、わが国の歩んできた道を振り返り、国のあり方を考え、そして行く末を考える大切な機会である。
 特に今年は、イラク情勢が緊迫化し、朝鮮半島の緊張も高まっており、戦争と平和という問題につき、日本も、他人事ではなく、自らの問題として考えさせられる年になる。
 私は、国際紛争を解決する手段として武力を用いないという憲法の理念を大切にしたいと思う。従って、現時点でのイラク攻撃には反対である。皆さんの中にも賛否両論があると思うが、肝腎の日本政府の考え方が必ずしも明らかでないのが気にかかる。何をどうすべきか明確に方針を示し、それを実現するために積極的に行動すべきである。今、世界中が、戦争か平和かという瀬戸際で、各国首脳はそれぞれ立場を明確にし飛び回っているのに、一人日本だけは蚊帳の外のように見える。淋しい限りの存在感のなさである。
 もう一つ、いざ戦争となったときに、日本がどのように行動するのか、この点もあいまいなままである。憲法との関係は、法的根拠は、あるいは肝腎の国民の指示は得られるのか、などいずれも簡単な問題ではない。事前に本音で十分な議論をしておかないと、いざという時に、国論が二分し、迅速な意思決定ができず右往左往する、湾岸戦争の二の舞にならないか心配である。
 国民の意見をしっかり踏まえて、言うべきことははっきり言い、行動すべきときは毅然として行動する、国際社会の中で、信頼される、責任ある国の姿である。
 日本も、そろそろ、国の安全という問題についてタブー視せず正面から取り上げ、国民的議論を起こすべきときではなかろうか。
   
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