風(91)

<平成16年5月15日号>

4月初旬、豪華客船「飛鳥」の岩国・屋久島クルーズが行われた。佐田岬から豊後水道、種子島の側を通り約21時間の航海。標高2000メートル近い高山が連なり、1年中雨の多い特殊な気候に育まれた自然の雄大さ、特に樹齢何百年という屋久杉の大木に圧倒された。「錦帯橋完成記念市民クルーズ」として、岩国を中心にして近隣の各地から約570人が参加した。車椅子や杖を使った母親を伴い親孝行をした家族、お互いをいたわり合うご夫婦、女性のにぎやかなグループなど、天候にも恵まれ、皆さん豪華な船の旅を満喫したようだ。私ももちろん初めてであったが、船でなければ味わえないゆっくりした時間を過ごすことができた。

少し物足りなかった点は、屋久島の人との交流がまったくなかったこと。確かに自然がすばらしく、ある程度の観光客は訪れるであろうが・・・。飛鳥が入港するのに、何の歓迎行事もないし、島民とのふれあいもない。これでは2度、3度と訪れる気持ちにならない。観光資源のすばらしさに安住しているという意味では、岩国も似たような状況にあるのでは。やはり、観光客をもてなす、人の温かさが大切であろう。地元の文化に触れ、特産品を食べてもらう、住民の生活に触れる機会が必要。

観光客数が大幅に増加している。渡り初めの翌日から花見が終わる4月上旬までの約3週間に、錦帯橋の渡橋者数が20万人近くに達し、昨年に比べて約65%の増加となり、過去最高を記録した。臨時便を増発した市営バスの乗客数も倍以上になり、おみやげ物が品切れになるところも。今後もNHKなどテレビ放送の予定が相次いでおり、この勢いを継続したい。

熊本市在住の高齢の男性から、岩国市民御一同様へ。

「木造の橋で、錦帯橋ほど優雅な橋は日本はもちろん世界中にありません。平成の時代に車の通らない橋はなく、木造の橋は、セメント、鉄橋に架け替えられています。

「車の通行を禁ず」の立札はなくとも、あえて車を通さないし守衛人もいない。岩国市民全員が錦帯橋の破壊を監視する「岩国橋守衛集団」でしょう。芸術的木造橋、日本唯一の、世界唯一の錦帯橋の竣工を心からお祝い申し上げます」