風(89)

<平成16年4月15日号>

錦帯橋の架け替えが無事完了し、三笠宮崇仁親王殿下、同妃百合子殿下をお迎えして、完成式典と渡り初めが行われた。12組の三世代夫婦や1200人の小学生、多くの市民などで、橋の上は終日人の波で埋めつくされた。これほど多くの人が渡る光景を見るのは初めてであり、まるで都会の雑踏のよう。お会いした人からは、一様に「おめでとう」と声をかけられ、手紙や電話などで、市内や遠くの人からもお祝いの言葉が届いた。多くの人々に喜んでいただいたことが、何より嬉しい。市民の皆さんとともに、この世紀の大事業に立会うことができたことを、大変幸せに思うし、今は、すべてが無事に終わり、ほっとしている。

1月の「木の建築フォラム」に始まり、高円宮妃久子殿下をお迎えした特別展「一期一会」、民俗芸能やよさこい、「何でも鑑定団」、コンサートなど、「錦帯橋夢フェスタ」と銘打った各種のイベントが行われ、お祝いの雰囲気を高めた。こうした行事は、観光協会を中心にした実行委員会により企画され、各団体がこれに協力し、行政が応援する形で実施された。公式行事は市が主催して行ったが、今回は皇族をお迎えするということで、何よりも失礼のないように、そして岩国を楽しんでいただきたいという気持ちで、多くの職員が入念な準備をし、落ち度のないように細心の注意をしながら対応してくれた。もちろん、警備面では、警察ご当局にも大変お世話になった。

5年前に始まった用材の調達から実際の架け替え工事、そして締めくくりの渡り初めまで、まさに市民が心を一つにして取り組んだ大きな仕事であった。本当に多くの人の献身的なご協力があって初めて可能となったものであり、改めて、お世話になったすべての人々に感謝したい。

錦帯橋は、岩国の文化の象徴であり、岩国人の精神的よりどころである。次の架け替えを20年から30年後に設定することを検討したい。明確な目標を持って、今から、技術の伝承、用材の確保や植林、錦川の水質と環境保全、歴史的まち並みの保存など錦帯橋とその周辺の魅力をさらに高めていく。これで終わりではなく、錦帯橋を柱にして市民一人一人が岩国の新しい文化を創造するスタート台に立つ。