風(50)

<平成14年6月1日号>

今国会に有事法制が提案されている。昨年9月米国でテロが発生、その後のアフガニスタンでの軍事行動に協力するため、日本は急いでインド洋に自衛隊を派遣した。もちろん、岩国の米軍基地も世界の動きに直結して警戒体制に入り、市民の生活にも様々な影響を与えている。一方で5月5日の日米親善デーには、市内の交通がまひするほど多くの人が押しかける。良くも悪くも基地なくして岩国を語れないのは事実であり、ここで、基地に関する考え方を整理してみる。

市議会などで繰り返し発言しているが、まず、基地の存在そのものは、安全保障条約に基づくもので、主として国政の問題であり、市政で議論することにはなじまない。もちろん、基地のない、外国の軍隊の駐留する必要のない平和な岩国になることが理想ではあるが、当面は基地と共存していくことになる。

次に、基地があるとしても、騒音や安全などの面で一方的に市民生活が犠牲になることは容認できないというのが基本的方針である。市民の生命、財産の安全、生活の平穏を守ることが市長としての責任であり、それが危ないという事態になれば、職を賭して、国や米軍に対して、ものを言うし、必要な行動をとるつもりである。NLP(夜間離発着訓練)による騒音などは、その意味で我慢の限度を超えるものであり、決して容認できない。

さらに、将来にわたって基地の機能が拡大、強化されることは、市民生活への有形無形の影響や負担も大きくなることであり、反対である。議会でも同じ内容の決議をしており、市民の多くも賛同していただけると信じている。

5月の初め城山を散策した。山一面が淡黄色に染まり甘い香りが漂う、シイの花である。遠目に若葉だと思っていたものがこれである。お目当ては「キミノタマミズキ」、平成2年に城山で初めて発見され、最近新品種として国際的に登録されたもの。亜熱帯性で日本本土では城山だけに自生する「フシノハアワブキ」。お茶席で見かけた「ギンリョウソウ」、「フデリンドウ」などの野の花。林間を抜ける心地よい風に吹かれながら、一味違う山歩きを楽しんだ。城山の自然の素晴らしさや奥の深さを知る。